株式会社日立製作所 研究開発グループ

日立研究所 企画室 試作センタ 高木誠吾

この度は、会社より推薦を頂き令和二年春の褒章(黄綬褒章)に際しまして、はからずもその栄に浴しわが身に過ぎたる栄誉に感動しております。残念ながらコロナウイルス感染による行動制限、3密よるクラスター防止の為、厚生労働省にての伝達式、皇居での天皇陛下への拝謁は中止となりました。浅学菲才(学が浅く、才能がない)の私が会社に永年携わっているというだけで、この様な栄誉を頂いたことは、決して私個人だけのものではなく会社、職場を代表していただいたものと思っています。受賞の影には、今まで職場を築きあげて来られた先輩方、現在、一緒に仕事に取り組んでいる同僚 後輩達、そして日立工業専修学校在学中ご教授いただいた先生方の力添えのお陰だと確信しております。配属以来、今日まで現在の職場、研究所の試作部門という特殊な職場であったお陰で多種多様な技術技能を身につけることが出来ました。正しく、継続は力生り(地道な努力を続けていけば、いずれ必ず成果が出る)を今、定年を過ぎて実感しております。技術を向上する事にあたっては、先輩方より教えて頂く事も多々ありましたが、作業風景を見て、真似て覚えて自分の引き出しを増やすよう教わりました。今になり少しその意味が理解できるようになりました。近年のモノづくりには高精度が要求され数値制御だけでは頼りきれないところが多く、汎用機械(旋盤)において絶妙な感覚を頼りに作業することが求められております。技術の伝承は、暗黙知という言葉があり指導する側、教わる側にとって大変難しいものがありますが配属された後輩たちとコミニュケーションを上手くとって、永年の経験で培ってきた技術を後輩に伝承し研究所発展(世界№1技術の創生)と社会に貢献して行きたいと思います。

最後になりますが、今回の受章に驕ることなく微力ながら努力精進いたす所存でおりますので引き続きお力添えを賜わります様よろしくお願い申し上げます。ここまで育てて頂いた緒先輩方、職場上司、同僚、後輩への感謝と、受賞するにあたりご推薦いただいた関係者の方々に深く感謝いたします。