日専校第26代校長でありました山﨑一平氏は去る4月1日付の人事異動により校長を退任されました。後任には、(株)日立製作所グローバル人財開発部より上野 久充氏をお迎えし、日専校27代校長および同窓会長としてご指導いただくことになりました。

この度、日立工業専修学校長、併せまして日工同窓会会長を拝命しました上野です。歴史と伝統の本会での大役に将に身の引き締まる思いです。何卒、宜しくお願い致します。

私は、昭和61年日立製作所日立工場に入社し、機電事業部、栃木工場、情報・通信グループ、日立研究所、九州支社、日立電鉄等にて人事・労務など総務業務を行ってまいりました。前職の本社教育部門では技能五輪全社事務局を担当し、特に昨年は技能五輪国際大会で3名全員入賞、全国大会では日立グループ4個の金メダルのうち3個は同窓会選手と大活躍ぶりをみてまいり、一方でそれぞれの選手へ指導とサポートを行う同窓会員の方々を非常に頼もしく感じさせていただきました。

しかしながら年が明けての2月以降は環境は一変し、新型コロナウィルスの猛威となり、日専校でも3月から生徒の登校を見送り、現在は何とかリモートによる授業を再開したところです。本会の皆さんもそれぞれの職場や家庭で事業維持の取り組みや感染予防行動を行っていることと思います。

今回の災害では感染予防のマスクをはじめとする医療物資等で、グローバル化された生産ロジスティックが崩れ、迅速な代替策の構築が難題であることが明らかとなりました。モノづくりのグローバル化が既に当たり前となった今日、環境の激変に対しては、より広域で柔軟な対応の必要性が高まっています。日ごろの人財の確保・育成と人的なネットワーク維持が如何に重要であるか改めて痛感します。本会の会則は「社会の発展に寄与」を目的とし「会員相互の連絡並びに共助」の活動を行う、と謳っています。今こそ本会の「共助」の精神を実践し会員同士のネットワークによる英知で課題解決に繋げていきたいと考えております。それぞれ職場でモノづくりの中核を担う方々や、現役は離れても豊富な経験を有する先輩方など3,500人会員の皆さんの知識、ノウハウをもって「共助」しあえば、課題解決により近づくものと確信しております。ウィルスの再来や景気の後退など厳しい環境はこれからも続くといわれています。本会100周年目となる本年度は厳しいスタートととなりましたが、これまでの戦災や、経済危機、震災などを乗り越えてきた本会の歴史を思い起こし、同窓会員の力を合わせ、苦境に立ち向かってまいりましょう。

日専校では今後とも基礎・基本をしっかりと学び、困難な課題でも諦めず取り組む精神力を身につけるよう指導を行ってまいります。引き続き日専校と連携した人財育成へのご支援らびにご協力をお願い申し上げ、新任の挨拶とさせて頂きます。  上野 久充