「わが宿の集い」が、1115日(金)午後1時より、日工同窓会館で開催された。1996年に始まった「わが宿の集い」も今回で45回をむかえた。葉っぱも色付き始めた快晴のなか、70名の参加をいただき大盛会となった。講演会は、「趣味の世界」と題し、日立池の川「末寛」店長、神代光明氏(48卒)より数多き趣味の中から「ボールペン画」と「竹あかり」について話を伺った。氏は機械科卒業後、日立の電線工場に配属されたが、もともと旺盛な好奇心と物作りが大好きという事で、早々に日立の地を離れる決心をする。東京を皮切に幾つかの職を経たのち、訳あって36歳の時に初めて包丁を握る事になり、そして現在に至る。その時の包丁は今も大事に手元に置いてあるそうだ。氏は忙しい仕事の合間を、趣味に費やしているとの事であるが、まず趣味の多さが半端ではない。ざっと数えて10以上もある。最初に父親に連れられてハマッタ「釣り」は3歳の時と聞いてビックリ、自分は3歳頃の記憶は覚えていないので、大物を釣り上げたショックは、子供心に相当凄かったものと感じる。今回は「ボールペン画」と「竹あかり」の作品の中から数点の展示があり、どれもその出来栄えには驚きである。ボールペン画は、漫画「ゴルゴ-13」の作者「さいとうたかお」氏の絵に、魂を奪われ60歳から始めたとあるが、非常に細かい描写と遠近法を用いて、完成まで3カ月を費やした力作と聞き、その根気強さには頭が下がる思いである。一番新しく始めた竹あかりは、竹筒の中の豆電球の淡い光が、竹の表面に掘られた小さな穴から洩れでる様が、何ともいえぬ良い味をで出している。時に聴者からの質問には、竹の性質や乾燥の期間など、製作時の注意店や裏話を、ユーモアを交えて話されるその造詣の深さに感心しきりである。「好きこそ物の上手なれ」という諺を目の当たりにして、俺もやってみたいと思った方は多かったのではないだろうか?何事にも努力を惜しまず、根気よく頑張れるかにかかっているようだ。氏が心掛けている事 (1)興味を持ったり好奇心を刺激されたら取り組んでみる。     (2)他人と比べない。自分が納得すれば良し。     (3)できれば周りの人にも楽しんで貰えたら最高。

余興は、「みんなで歌おう 懐かしの歌 心の歌」 リーダーの榊原愛正氏(53卒)と講演に引き続き神代光昭氏(48卒)二人のハーモニカ演奏で皆で楽しく合唱をした。最初に「校歌」、それから青春時代、青年期に聞いた曲へ続き、調子が出てきたところで「東京ナイトクラブ」、男女のパートに分かれ歌詞カードを見ながら気分を込めて歌った。又「百歳音頭」という曲を「ああ人生に涙あり」の替え歌で歌う。最後に「寮歌」で締め括り、懐かしい曲合計10曲を歌った。皆さんお年の割には声も出て上手い。寮生の時に厳しく先輩に寮歌を仕込まれた賜物か、何となく暖かい気持ちになってきた。若い時に聞いた曲は、何年経っても自然とメロディーが出てくるが、最近の若い人達の歌は、何回聞いても覚えられない。これも年のせいなのかチョッピリ寂しい。

 作品展示は、大内正典氏(52卒)の「虫と草花」写真展  氏は普段の散歩の時もカメラを持参し、何気ない植物や昆虫を撮って楽しんでいるという。特に綺麗な花を撮るのではなく、花は勿論その植物全体を撮る様に心掛けているという。氏の写真は本のページに掲載されるほどの腕前であり、写真からは、私達にも馴染みの「タマムシ」や「カナブン」が色鮮やかに輝いて、力強く生きている様に感じる。それは氏の優しさが、ファインダーを通して草花や小さな昆虫にも伝わっているのかも知れない。

 

 最後に恒例の懇親会に入り、各テーブル先輩後輩の垣根無く、今日の講演や展示物、あるいはお互いの健康や家族の話題、懐かしい友や先輩を見つけて、話は大いに盛り上がった。楽しい時間はアッという間に過ぎ、窓の外の木々がオレンジ色に染まる頃、来年の再会を期して閉会となった。